光機能化インプラント
インプラントの接着力が大幅に上がりました

インプラント治療をより成功に導く光機能化インプラント

2009年にアメリカ、 UCLA(カリフォルニア大学ロサンゼルス校小川隆広先生の研究室より、今までにない画期的技術が発表されました。 小川隆広先生とは2010年の夏にお会いし、このお話を直接聞かせていただきました。そして2011年、この技術をようやく実用化に踏み切ることができました。

歯を失った場所に人工の歯を埋め込むインプラント治療。このインプラント治療は、人工の臓器の中でも最も優れたものと言われてきました。しかし、残念ながらインプラントの骨の接着面積は40%~60%程度が限界でした。 それでももちろん十分な結果は得られていたのですが、このたび光機能化インプラントが発表されました。

スーパーオッセオインテグレーション

小川先生の研究では、ある特定の光の波長をインプラントにあてることにより、インプラントと骨が約98.2%まで骨と接着することができました。 これにより、インプラントと骨との接着スピードが今までに比べ4倍早まることが分かり、その分治療期間の短縮が可能となりました。 また、インプラントの安定性と成功率も向上し、今までの接着能力よりも約3倍接着力が高くなるという結果がでています。この技術は、インプラントにとって大きな技術改革と言えるでしょう。

小川先生が発表された研究によると

インプラント材料であるチタンは、時間とともに表面の性能が落ちていくというものです。
つまり、チタンも人間と同じように年をとるということなのです。

今まで、世界中の医師や歯科医師は、時間が経ってもインプラント自体のもつ性能や性質は変わらないと定説として考えられていました。
現在のインプラントに水をたらすと右の写真のように水滴になり(疎水性)、これが世界中で普通だと思われていました。

しかし、工場で作られた直後のチタンは制作されてから時間が経過したチタンと比較すると水との馴染みが非常に良く(親水性が良い)、チタンの性質として時間経過と共に水との馴染みが悪くなっていくことが分かったのです。

それだけでなく、工場で作られた直後の新鮮なインプラントの周りには、多くの骨ができますが、時間が経ったインプラント(現在使われている普通のインプラント)では、 結合する骨の量が新鮮なインプラントと比べて半分ぐらいしか出来ていなかったのです。

しかし、今回小川先生が発表された研究によると、時間が経ってしまったインプラントに、特殊な光を当てることにより、 表面がキレイになり、工場で作られた新鮮な状態を取り戻せるということが分かりました。 ライオン歯科では、既に光機能化インプラントの技術導入に至っており使用が可能です。